哺乳びんのサイズアップ完全ガイド〜赤ちゃんの成長に寄り添う選び方〜
ミルク育児専門家が教える、月齢別・発達段階別の適切なサイズ選択法
深夜2時、授乳室の柔らかな明かりの中で、あなたは赤ちゃんを抱きながらミルクをあげています。でも、なぜか今日は授乳に30分以上もかかってしまう。赤ちゃんは一生懸命吸っているのに、なかなかミルクが減らない。そんな経験はありませんか?
実は、哺乳びんの乳首サイズが赤ちゃんの成長に合っていないことが原因かもしれません。多くのママやパパが見落としがちな「サイズアップ」のタイミング。しかし、これこそが赤ちゃんの快適な授乳と健やかな成長を支える重要なポイントなのです。
なぜ哺乳びんのサイズアップが必要なのか?
赤ちゃんは生まれてからの数ヶ月で驚くほど成長します。体重は生後3〜4ヶ月で出生時の約2倍になり、吸う力も日に日に強くなっていきます。
赤ちゃんの吸啜力(きゅうてつりょく)の発達
新生児期の吸う力は非常に弱く、SSサイズの小さな穴から少しずつミルクを飲むのが精一杯です。しかし、生後1ヶ月を過ぎる頃には筋力が発達し、より多くのミルクを効率的に飲めるようになります。この成長に合わせて乳首のサイズを変えないと、赤ちゃんは必要以上に疲れてしまい、十分な栄養を摂取できなくなってしまうのです。
サイズが合っていないときの赤ちゃんのサイン
あなたの赤ちゃんは、もしかしたらすでに「サイズアップしてほしい」というサインを送っているかもしれません。以下のような様子が見られたら、注意が必要です。
- 授乳時間が異常に長い – 10〜20分で飲み終えるはずが、30分以上かかる
- 飲んでいる途中で疲れて寝てしまう – 体力が続かず、十分な量を飲めない
- 哺乳びんを強く噛む、引っ張る – もっと早く飲みたいというサイン
- イライラして泣く – 吸っても十分に出てこないことへの不満
- 授乳後すぐにお腹が空く – 必要量を摂取できていない可能性

「ママ、もっと楽にミルクを飲みたいよ」
赤ちゃんの小さな声に、あなたは気づいてあげられていますか?
月齢別・発達段階別サイズガイド
哺乳びんの乳首サイズは、一般的にSS・S・M・L・LLの5段階があります。ただし、月齢はあくまで目安であり、最も重要なのは赤ちゃん個々の発達段階と飲む力です。
| サイズ | 月齢目安 | 容量・時間目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| SS | 0ヶ月〜 | 50ml / 10分 | 新生児用。最も小さな穴で、ゆっくり飲める |
| S | 1ヶ月〜 | 100ml / 10分 | 吸う力がついてきた赤ちゃん向け |
| M | 3ヶ月〜 | 150ml / 10分 | 首がすわり、飲む力が安定してくる時期 |
| L | 6ヶ月〜 | 200ml / 10分 | 離乳食開始期。より効率的に飲める |
| LL | 9ヶ月以上 | 200ml / 5分 | 離乳食が進み、ミルクは補助的に |
個人差が大きいことを知っておこう
「生後3ヶ月だからMサイズに変えなきゃ」と焦る必要はありません。赤ちゃんの発達には大きな個人差があります。
個人差に影響する要因
- 体重の増え方(低出生体重児は発達がゆっくりなことも)
- 吸う力の強さ(筋緊張の個人差)
- 飲み込む力の発達速度
- 体力の個人差
ある赤ちゃんは生後3ヶ月でもまだSサイズが合っているかもしれません。一方、成長が早い赤ちゃんは生後2ヶ月でMサイズに移行することもあります。大切なのは、赤ちゃんの様子をよく観察し、その子に合ったペースでサイズアップすることです。
サイズアップの適切なタイミングを見極める
授乳時間を計測してみましょう
最も客観的な判断基準は授乳時間です。理想的な授乳時間は10〜20分とされています。これより短すぎても長すぎても問題があります。

⚠️ 授乳時間が短すぎる場合(5分以内)
ミルクが出すぎて、赤ちゃんがむせてしまったり、早飲みで空気を多く飲み込んでしまう可能性があります。この場合は、サイズを下げることも検討しましょう。
⚠️ 授乳時間が長すぎる場合(30分以上)
赤ちゃんが疲れてしまい、必要な量を飲む前に寝てしまったり、授乳が苦痛になってしまいます。これは明確なサイズアップのサインです。
赤ちゃんの飲み方を観察する
授乳中の赤ちゃんの様子も重要な手がかりです。
- リズミカルに飲んでいるか – ゴクゴクと規則正しいリズムで飲めていれば適切なサイズ
- 途中で休憩が必要か – 何度も休憩しながら飲むのは疲れているサイン
- 吸う力の強さ – 乳首が潰れるほど強く吸っているなら、サイズアップが必要
- 飲み終わりの様子 – 満足そうにしているか、まだ欲しそうにしているか
サイズアップで気をつけるべきポイント
急にサイズを上げすぎない
「早く飲み終えてほしい」という気持ちから、一気に2段階上のサイズに変える方がいますが、これは絶対に避けるべきです。
急激なサイズアップのリスク
ミルクが出すぎることで、赤ちゃんがむせたり、誤嚥(ごえん)のリスクが高まります。また、早飲みによって空気を多く飲み込み、ゲップが出にくくなったり、お腹が張って苦しくなることもあります。消化器官に負担がかかり、吐き戻しが増えることもあるのです。
必ず1段階ずつ、赤ちゃんの様子を見ながら進めていきましょう。
母乳寄りの哺乳びんを使用している場合
母乳育児と併用している方や、母乳寄りの設計の哺乳びんを使用している場合は、特に注意が必要です。
母乳実感やピジョンなどの母乳寄り哺乳びんは、赤ちゃんが自分で吸う力を使ってミルクを飲む設計になっています。これらの哺乳びんではSSサイズのままでOKという場合も多いのです。
母乳は赤ちゃんが吸う力によって出る量が変わります。哺乳びんも同じように、赤ちゃんの吸う力に応じてミルクが出る設計になっているため、無理にサイズアップする必要がない場合があります。ただし、体重の増えが悪い場合は、母乳の回数を増やすか、乳首のサイズを上げて効率よくミルクを飲めるようにすることを検討しましょう。
困ったときの対処法
サイズアップしたら飲みにくそうにする場合
新しいサイズに変えたとたん、赤ちゃんがむせたり、嫌がったりすることがあります。これは決して珍しいことではありません。
- 慣れの期間を設ける – 2〜3日は様子を見る。1回の授乳で旧サイズと新サイズを併用するのも一つの方法
- ミルクの温度を確認 – サイズが大きいと、同じ温度でも熱く感じることがある
- 角度を調整 – 哺乳びんの角度を少し変えて、ミルクの流れを調整する
- 一旦戻す勇気を持つ – 明らかに合わない場合は、無理せず元のサイズに戻す
飲むのが早すぎて心配な場合
⚠️ 早飲みのリスク
授乳時間が5分以内で終わってしまう場合、以下の問題が起こる可能性があります。
- 空気を多く飲み込み、げっぷが出にくい
- 満腹中枢が働く前に飲み終わり、過剰摂取になる
- 吐き戻しが増える
- 消化不良を起こしやすい
この場合は、サイズを一つ下げることを検討しましょう。赤ちゃんのペースで飲めることが何より大切です。
ミルク育児における心のケア
「今日も、授乳時間が30分を超えてしまった。私、何か間違えているのかな…」
深夜の授乳で涙が出そうになったこと、ありませんか?
哺乳びんのサイズアップという小さなことでも、ミルク育児をしているママやパパにとっては大きな悩みの種になることがあります。
「他の赤ちゃんはもうMサイズなのに、うちの子はまだS…」「サイズアップしたら、むせてばかりで失敗した…」そんな風に自分を責める必要は全くありません。
あなたの赤ちゃんには、あなたの赤ちゃんのペースがあります。比較する必要はないのです。
覚えておいてほしいこと
赤ちゃんが元気に育っていること、体重が順調に増えていること、それが何より大切です。サイズアップのタイミングが多少遅くても早くても、愛情を持って赤ちゃんと向き合っているあなたは、素晴らしい親なのです。
疲れたときは、一人で抱え込まず、パートナーや家族、保健師さんに相談してください。ミルク育児も母乳育児も、どちらも素晴らしい育児の形です。
まとめ:赤ちゃんの成長に寄り添うサイズ選択
哺乳びんのサイズアップは、単なる乳首の交換ではありません。それは、赤ちゃんの成長を見守り、その変化に気づき、適切にサポートしていくという、親としての大切な役割の一つなのです。
サイズアップの基本原則をもう一度確認しましょう。
- 授乳時間が30分以上かかるようになったら、サイズアップを検討
- 月齢はあくまで目安。赤ちゃん個々の発達を最優先に
- 必ず1段階ずつ、様子を見ながら進める
- 母乳寄りの哺乳びんは、サイズアップが不要な場合もある
- 早飲みの場合は、サイズを下げる勇気も必要
- 赤ちゃんの様子(むせる、疲れる、イライラする)をよく観察する
- 体重の増え具合も重要な判断材料
そして何より大切なのは、赤ちゃんとの授乳時間を楽しむことです。
ミルクを飲む赤ちゃんの小さな手が哺乳びんを握ろうとする姿、満足そうに目を閉じる表情、飲み終わった後の幸せそうな寝顔。そんな一瞬一瞬が、かけがえのない思い出になります。
今この瞬間、あなたの腕の中で安心してミルクを飲んでいる赤ちゃん。
その小さな命を守り、育てているあなたは、本当に素晴らしい。
完璧である必要はありません。
ただ、愛情を持って向き合うこと。それだけで十分なのです。
哺乳びんのサイズアップで悩んだら、この記事を思い出してください。そして、あなたの直感を信じてください。赤ちゃんのことを一番わかっているのは、ほかでもない、あなた自身なのですから。
この記事が、あなたとあなたの赤ちゃんの幸せな授乳時間の一助となれば幸いです。
※この記事の内容は一般的な情報提供を目的としています。赤ちゃんの発達や健康に関して気になることがある場合は、必ず小児科医や保健師など専門家にご相談ください。
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