妊娠中の便秘と痔の悩みをやさしく整える|助産師が教える原因・解消法・体ケアのすべて
出したいのに出ない」それはママのせいじゃない
妊娠してから、「なんだかお腹が張る」「スッキリ出ない」——
そんな悩みを感じていませんか?
妊娠中の便秘はとても多く、7〜8割の妊婦さんが経験 するといわれています。
でも、便秘が続くと体だけでなく、心まで重たくなってしまうもの。
「私だけおかしいのかな?」
「赤ちゃんに悪い影響があったらどうしよう…」
そんな不安を抱えているママへ。
この記事では、助産師として多くの妊婦さんをサポートしてきた経験から、
妊娠中の便秘と痔の原因・改善法・お産との関係 を、専門的かつやさしく解説していきます。
🌿目次
- 「出したいのに出ない」妊娠中のつらい便秘
- 妊娠中の便秘の主な原因
- 便秘を放っておくと起こる影響
- 妊娠中の便秘と痔(ぢ)の関係
- 痔の予防とケア方法
- 便秘・痔を防ぐ食事のポイント
- 食物繊維を多く含む食材と「まごわやさしい」
- 食べ方の工夫とプルーンの力
- 妊娠中の便秘予防の生活習慣
- 骨盤底筋体操で排便力を高める
- 便秘に効くツボで腸を刺激
- 妊娠中の便秘薬を使う前に知っておきたいこと
- まとめ:出せる体をつくることが本質
- 助産師ひまりからのメッセージ
妊娠中の便秘の主な原因
妊娠中の体では、便秘を引き起こしやすい条件がいくつも重なります。
①ホルモンの影響で腸の動きが弱くなる
妊娠中は「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が増加し、
子宮を安定させるために筋肉の働きをゆるめます。
それにより、腸の蠕動運動もゆるやかに なり、便が滞りやすくなります。
②腸で食べ物が通過する時間が長くなる
腸の動きが遅くなると、食べ物が通る時間が長くなり、
その間に水分が吸収されて便が硬くなる のです。
③大きくなった子宮が腸を圧迫する
妊娠後期になると子宮が骨盤内いっぱいに広がり、腸を押し上げるようになります。
すると、腸の通りが悪くなり、排便時にいきみにくくなります。
④ストレス・緊張・便意の我慢
- 「仕事中でトイレに行けない」
- 「外出先で我慢してしまう」
こうした便意の我慢が続くと、直腸の感覚が鈍くなり、自然な排便リズムが乱れます。
また、ストレスによる自律神経の乱れも腸の働きを抑制します。

便秘がもたらす影響
妊娠中の便秘を放置すると、さまざまな不調を招くことがあります。
- 食欲がなくなり、栄養が偏る
- いきみにより 痔(ぢ) ができる
- 流早産の原因になることがある
- 出産時、赤ちゃんが下がりにくくなる
- お産の時間が長くなることも
便秘は“ただの不快症状”ではなく、
お産や産後の回復にも影響するサイン です。
妊娠中の便秘と「痔(ぢ)」の関係
妊娠中の痔は珍しいことではありません。
子宮の圧迫や便秘のいきみが原因で、肛門周囲の血流が悪化しやすくなるのです。
痔の種類と特徴
🔸いぼ痔(痔核)
- 外側:排便時に痛みや出血を伴うことが多い
- 内側:痛みは少ないが、進行すると脱出することも
🔸切れ痔(裂肛)
- 硬い便を無理に出そうとしたとき、肛門の皮膚が切れる ことで発生。
- 強い痛みや出血を伴い、トイレが怖くなって悪循環に。
痔の予防とケア
🌼ポイントは2つ
- 便秘を予防すること
- 体を冷やさないこと
冷たい椅子や床に座ると、腰やお尻が冷え、肛門まわりの血流が滞ります。
それが便秘や痔を悪化させる原因に。
自宅でできるケア
- 入浴や半身浴で下半身を温め、血流を改善
- オリーブオイルなどの潤滑油を指に塗って軽くマッサージ
- 痔が出てしまった場合は、入浴後の柔らかい皮膚のときに
やさしくオリーブオイルを塗り、しわに沿って戻します。

受診の目安
- 痛みが強い
- 出血が止まらない
- 熱・赤み・腫れがある
→ その場合は、早めに医師に相談 を
便秘と痔を防ぐ食事のポイント
🌱腸への刺激を減らす
- 香辛料・アルコール・炭酸飲料は控える
- 冷たい飲み物より常温水や白湯を
🌾食物繊維を積極的に摂る
食物繊維は腸を刺激して便通を促し、水分を保持して便を柔らかくします。
ただし、摂りすぎるとガスやお腹の張りの原因になるため、
少しずつ量を増やすのがコツ。
食物繊維が多い食品
- 玄米
- ごぼう
- きくらげ
- 干ししいたけ
- きりぼし大根
- いんげん

🍽️合言葉は「まごわやさしい」
ま(豆)・ご(ごま)・わ(わかめ)・や(野菜)・さ(魚)・し(しいたけ)・い(いも)

→ 妊娠中に不足しやすいビタミン・ミネラル・マグネシウムも同時に補えます。
食べ方の工夫
- 野菜は生よりも茹でる・炒めることで吸収率UP
- プルーンには 食物繊維+カリウム が豊富で腸の動きをサポート
- 冷たい飲み物を飲む場合は、飲みすぎに注意。体を冷やすと腸も冷えて動きが悪くなります。
妊娠中の便秘・痔を防ぐ生活習慣
☀️排便リズムを整える
朝食後の1時間以内が「排便のゴールデンタイム」。
毎朝ゆっくりトイレに座る習慣をつけましょう。
便意を我慢すると、腸が「出さなくていい」と覚えてしまいます。
♨️体を温める
半身浴や足湯で下半身を温めることで、腸の血流が良くなります。
🧘♀️骨盤底筋体操で排便力UP
骨盤底筋体操の方法

① 背筋を伸ばし、膝をゆっくり床に近づける
② 足の裏を合わせて体の方に引き寄せ、膝を押す
③ 息を吸いながら背筋を伸ばし、吐きながら前に倒す
💡ポイント:
- 骨盤底筋を意識して行うと、排便時にいきみすぎず、
“自然に出せる力”がつきます。 - お腹の張りがある方や医師から制限がある場合は無理をしないでください。
ツボ押しで腸の動きをサポート
- 合谷(ごうこく):親指と人差し指の骨の間
- 神門(じんもん):小指側の手首のくぼみ
- 足三里(あしさんり):膝下の外側、指4本分下
- 三陰交(さんいんこう):内くるぶしから指4本上

👉 各ツボを 1〜2分ほどやさしく押すだけ でOK。
腸の動きを促し、自律神経のバランスも整います。
便秘薬を使う前に知っておきたいこと
市販の下剤には、子宮を収縮させたり、
赤ちゃんに影響する成分が含まれていることがあります。
自己判断では使わず、必ず医師に相談を。
妊婦さんには、酸化マグネシウム系の穏やかな下剤 が処方されることが多いです。
健診時に「便秘がつらい」と素直に伝えて大丈夫。
助産師や医師は、その悩みを理解しています。
「出すこと」より「出せる体」を
便秘や痔のケアの本質は、一時的に出すことではなく、出せる体を育てること。
- 腸内環境を整える
- 自律神経を整える
- 骨盤底をやわらかく保つ
- 心と体をゆるめる
お産も“いきむ力”と“ゆるめる力”のバランスで進みます。
腸を整えることは、安産の土台をつくること でもあるのです。
【まとめ】
| 原因 | 改善法 |
|---|---|
| ホルモンの影響 | 食物繊維・水分摂取 |
| 子宮の圧迫 | 姿勢・軽い運動 |
| 便意の我慢 | 朝の排便リズム |
| ストレス | リラックス・ツボ押し |
| 冷え | 半身浴・骨盤底筋体操 |
最後に:ママへのメッセージ
「出ないのは私のせいじゃない」
それは、体があなたを守ろうとしているサインです。
体と心をゆるめて、腸に“やさしさ”を。
妊娠中の便秘ケアは、赤ちゃんとママをつなぐ小さな第一歩。
助産師ひまりが、あなたの心と体に寄り添います🌸
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