赤ちゃんが母乳を飲み残すのは大丈夫?飲み残し授乳の影響と正しい対応を助産師が解説
「飲み残しって大丈夫?」ママの素朴な不安
「授乳の後、赤ちゃんが飲み残したけど…これって問題ないの?」
「全部飲まないと母乳が減るんじゃないかしら?」
授乳期のママからよく寄せられる質問です。母乳は赤ちゃんの成長に欠かせない栄養源。でも、飲み残し=母乳不足や発達への悪影響と結びつけて不安になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、助産師としての専門知識と、実際のママたちの声を交えながら、飲み残し授乳の本当の意味と対応方法をお伝えします。
赤ちゃんが母乳を飲み残すのはよくあること
成長とともに変化する哺乳量
- 新生児期:1回に飲める量が少なく、すぐ眠ってしまう
- 生後3〜4か月:胃容量が増え、まとめて飲めるようになる
- 生後半年以降:離乳食が始まり、自然と母乳の量も調整される
➡ 飲み残しは「赤ちゃんが自分で調整している証拠」です。
赤ちゃんの個性による差
- 飲むスピードが速い子・ゆっくりな子
- 一度にたくさん飲む子・小分けで飲む子
ママ友の子と比べてしまいがちですが、その子のリズムが大切です。
母乳の飲み残しと母乳分泌の関係
プロラクチンとオキシトシンの働き
- プロラクチン:母乳をつくるホルモン。飲まれた刺激で次の分泌が増える
- オキシトシン:母乳を押し出すホルモン。スキンシップや吸啜で分泌
➡ 母乳は「飲まれるほど作られる」仕組みですが、必ずしも毎回飲み切る必要はありません。
飲み残しが続いたときの注意点
- 乳腺炎リスク:母乳が乳房にたまって硬くなる
- 分泌過多・詰まり:ママの体に負担
この場合は、授乳安定した楽な姿勢を取り入れると安心です。
赤ちゃんが飲み残すときに考えられる理由
- 眠気が強い(新生児期によくある)
- お腹いっぱい(哺乳量の自己調整)
- 体調不良や鼻づまり
- 乳首の吸いつきにくさ(姿勢や乳首の形も影響)
- 授乳環境(明るすぎ・音が気になる)

➡ どれも「よくあること」。ママが自分を責める必要はありません。
飲み残し授乳のときママができる対応
授乳後のチェックポイント
- 乳房がカチカチになっていないか
- 赤ちゃんが機嫌よく過ごせているか
- 体重増加が順調か
実践できる工夫
交差抱き




- 飲み残しが多いときは片乳で終了してOK
- 張りが強いときは少し搾乳してから次の授乳へ
母乳だけの授乳は大丈夫?
完全母乳のメリット
- 栄養バランスが自然に調整されている
- 感染防御物質(IgAなど)が豊富
- ママとのスキンシップが深まる
母乳だけにこだわらないことも大切
- ママの体調や睡眠不足がつらいときはミルクを取り入れてもOK
- 「母乳でなければならない」というプレッシャーがストレスに
➡ 母乳もミルクも“赤ちゃんを育てる大切な栄養”。ママの心が穏やかであることが一番大事です。
専門家に相談したほうがいいサイン
- 母乳の詰まりや痛みが続く
- 赤ちゃんが体重増加不良
- 授乳後も泣きが続く
この場合は助産師や小児科医師へ相談をしてください。
ママへのメッセージ
「ちゃんと飲めていないかも…」
「全部飲ませなきゃ…」
そんなふうに自分を責めなくても大丈夫です。赤ちゃんは、思った以上に自分で必要な量を調整できる力を持っています。
ママが安心して笑顔で過ごせることが、赤ちゃんにとって一番の栄養。
一人で抱え込まず、困ったときは専門家に頼ってくださいね🌸
まとめ
- 飲み残しは自然なこと、赤ちゃんの調整機能
- 母乳は飲まれるほど作られるが、飲み切り必須ではない
- 飲み残しが続く場合はママのケアを忘れずに
- 完母でも混合でも「ママと赤ちゃんの心地よさ」が大切
