赤ちゃんのミルク、3時間以内にあげてもいいの?助産師が教える“泣く・欲しがる・飲みすぎ”の理由と正しい対応法
「ミルクをあげたばかりなのに、また泣いてる…」
「3時間経ってないけど、飲ませても大丈夫?」
そんなママの不安、実はとても多いんです。
助産師として多くのご家庭を見てきた中で感じるのは、
“3時間ルールに縛られて苦しくなっているママ”が本当に多いこと。
でもね、赤ちゃんは“機械”ではなく、生きたリズムで動く小さな命。
今回は「3時間ルールの本当の意味」から「欲しがる・飲みすぎサイン」
「本当にお腹が空いているかの見分け方」まで、
助産師ひまりが心と体の両面からわかりやすく解説します🌷

1. 「3時間ルール」って本当に必要?
かつては病院の集団管理授乳の名残として「3時間ごと」が定着していました。
でもそれは、赤ちゃんのリズムではなく大人の都合で決められた“管理間隔”。
現代の育児では、WHOや日本小児科学会でも
「赤ちゃんの欲しがるタイミングに合わせて授乳する」ことが推奨されています。
つまり、3時間ごとに飲ませることよりも、
“赤ちゃんのサインを見て応える”ことが何より大切なんです。
2. 「3時間以内に欲しがる」のはなぜ?
| 月齢 | 胃の大きさ | 消化時間の目安 |
|---|---|---|
| 新生児期(0〜1ヶ月) | 約20〜30ml | 母乳:約2時間/ミルク: 約75〜90分 |
| 1〜3ヶ月 | 約80〜120ml | 消化器が未熟でムラあり |
| 4〜6ヶ月 | 約150〜200ml | 消化能力が安定し始める |
つまり、2時間で泣くのは自然なこと。
赤ちゃんは「お腹が空いた」以外にも、こんな理由で泣くことがあります👇
- 抱っこして安心したい(非栄養的吸啜)
- 飲む姿勢が合わず空気を多く飲んだ
- 急成長期でエネルギー消費が増加
- 眠たい・暑い・寒いなどの不快感
泣く=空腹と決めつけず、まずは体のサインを見てみましょう。
3. 成長スパート(急成長期)にはリズムが乱れる
赤ちゃんは次のタイミングで“急成長”を迎えます。
その時期には飲む量・間隔・睡眠が一時的に乱れやすくなります。
- 生後3週間〜1ヶ月
- 6〜8週間
- 3ヶ月頃
この時期の「泣き」「頻回授乳」は、体と脳の成長のサイン。
焦らず、一時的なリズムの乱れと捉えてOKです。
4. ミルクの追加量の考え方
「3時間経っていないけど泣いてる…」そんなときは、少量で様子を見るのがポイント。
- 前回の飲み始めから2時間以内 → 20ml追加
- しっかり飲んだ後は、その時間から次の授乳間隔を3時間目安に
💡ミルクの消化時間は75〜90分。
2時間以内の追加なら、まだ胃が完全に空ではないかもしれません。
泣いている理由が「安心したい」「眠い」ことも多いので、まず抱っこや声かけを試してみて。
5. 月齢別ミルク量の最新目安
| 月齢 | 標準体重 | 1回量 | 1日授乳回数 |
|---|---|---|---|
| 新生児(0〜1ヶ月) | 約3kg | 60〜80ml | 8〜12回 |
| 1〜2ヶ月 | 約4.8kg | 120〜160ml | 6〜7回 |
| 3〜5ヶ月 | 約6.8〜7.7kg | 160〜200ml | 5〜6回 |
| 6〜8ヶ月 | 約8.3kg | 200ml+離乳食 | 5回前後 |
| 9〜12ヶ月 | 約8.8kg | 140〜160ml+離乳食 | 3回+補助授乳 |
※あくまで目安です。赤ちゃんの「ご機嫌」「排尿回数」「体重増加」を目安に調整しましょう。
6. 新生児期だけは「3時間ルール」が必要な理由

新生児は胃がまだ小さく、満腹中枢も未発達。
1回でたくさん飲めないため、3時間おきの授乳が必要です。
寝ていても3時間以上空けず、軽く起こして飲ませてあげましょう。
体重減少や脱水を防ぐために、夜間授乳もとても大切です。
7. 飲みすぎサインを見逃さないで
- 飲み終わりにむせる
- 喉がゴロゴロいう
- お腹がパンパンに張っている
- げっぷや吐き戻しが頻繁にある
これらは“飲みすぎ”のサインです。
赤ちゃんは満腹中枢が未発達なため、与えられれば反射で飲んでしまうことも。
その結果、胃が大きくなりすぎて呼吸が苦しくなったり、吐き戻しが起こることがあります。
飲み終わりのサインを見逃さないことが、赤ちゃんの体を守る第一歩です。
8. 満腹サインを見極めよう

・授乳中に手がグーからパーになりリラックスしている
・飲むペースが遅くなり、最後は吸うのをやめる
・哺乳瓶や乳首を自分から口から離す
このようなサインが出たら、もう十分に飲めているということ。
「まだ残っているから」と無理に飲ませる必要はありません。
9. 本当にお腹が空いている?泣きの原因チェック
泣く理由は、空腹以外にもたくさんあります。
赤ちゃんが泣くたびにミルクをあげる前に、次のことをチェックしてみましょう。

・服が暑すぎる/寒すぎる
・姿勢が苦しい
・オムツが濡れている
・眠い・刺激が多い
💡服を整えたり、まん丸姿勢(Cカーブ)にしてあげると安心して眠ることもあります。
「泣く=ミルク」ではなく、まず“体の不快サイン”を探る視点を持ちましょう。
10. 「泣き」が教えてくれること
赤ちゃんの泣きは、唯一のコミュニケーション手段。
泣きにはいくつかの種類があります。
| 泣く理由 | 特徴 |
|---|---|
| 空腹 | 口を開けて探すように泣く(ルーティング反射) |
| 抱っこしてほしい | 抱くとピタッと泣き止む |
| ガス・張り | 体をのけぞらせる・苦しそうな顔 |
| 眠い | 目をこすりながらぐずぐず泣く |
「泣く=悪いこと」ではありません。
“あなたに何かを伝えようとしている”サインなのです。
11. 母乳とミルクの消化時間の違い
| 種類 | 消化時間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 母乳 | 約2時間前後 | 消化が早く、頻回授乳でもOK |
| ミルク | 約75〜90分 | 腹持ちが良く、消化に時間がかかる |
母乳とミルクの混合育児では、赤ちゃんの消化ペースは中間的。
「3時間」はあくまで目安として、赤ちゃんの表情と体のリズムを見て調整を。
12. 助産師からのメッセージ
赤ちゃんは一日を通してのバランスで見て大丈夫。
3ヶ月ごろまでは満腹中枢が発達しておらず、与えれば反射的に飲み続けることもあります。
経験上、新生児でもあげればいくらでも飲むように見えても、
空腹の時ほど吸う力が強く、満たされれば自然と口を離すもの。
もし何度もむせたり、喉がゴロゴロいうときは“飲みすぎサイン”の可能性も。
抱っこしたり、ゲップをさせたり、少し時間をおいて心を落ち着かせてあげましょう。
💧そして忘れないでください。
「ミルク以外の原因」も泣きのサインです。
暑い・寒い・姿勢が苦しい・おむつが気持ち悪い。
そんな些細なことでも、赤ちゃんは泣いて伝えています。
本当に、母はすごい。
毎日向き合い続けるあなたに、心から「おつかれさま」を伝えたいです。
13. まとめ|“3時間ルール”よりも“赤ちゃんの呼吸”を大切に
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 3時間ルール | 赤ちゃんのリズムに合わせてOK |
| 新生児期 | 3時間以内に飲ませるのが理想 |
| 追加ミルク | 2時間以内なら20ml目安で様子を見る |
| 満腹サイン | 手が開く・口を離す・動きがゆるむ |
| 飲みすぎサイン | お腹パンパン・むせる・吐き戻し頻発 |
| 泣きの理由 | 空腹だけでなく安心・眠気・不快感も |
さいごに
「泣く=ママのせい」ではありません。
その涙の裏には、“ママを感じたい”という温かいメッセージが隠れています。
ひとりで抱え込まず、助産師や地域サポートを頼ってくださいね。
あなたと赤ちゃんのペースを大切に🌼
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監修:助産師ひまり|産前産後トータルケア
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