陣痛ってどうして痛いの?|怖さが減る“お産の仕組み”を助産師が専門解説
こんにちは、助産師ひまりです。「陣痛が怖い」「どのくらい痛いの?」と不安を感じていませんか? でも、実は“痛みの正体”を知るだけで、怖さは半分になるんです。 今日は、助産師の視点から「陣痛の仕組み」をやさしく解説しながら、 痛みをやわらげるためのリラックス法をお伝えします。
陣痛が怖い…その「正体」を知ることから始めよう
陣痛とは、赤ちゃんをこの世界に送り出すための子宮の筋肉運動。 無意味な痛みではなく、命を生むための力なんです。
出産のたびに、子宮が規則的に収縮して赤ちゃんを少しずつ押し出していきます。 つまり、陣痛の痛みは「体が赤ちゃんを導いている証」。 そう思うだけで、少し気持ちが変わってきませんか?
陣痛の仕組み|子宮が縮むことで赤ちゃんを押し出す
子宮は筋肉でできています。 その筋肉がリズミカルに縮むことで、赤ちゃんを外に押し出す。これが「陣痛」です。

この収縮を起こすのがオキシトシンというホルモン。 別名「愛情ホルモン」「絆ホルモン」と呼ばれ、 ママの安心感やリラックスによって分泌が増えることがわかっています。
つまり、「怖い」「痛い」と感じて体が緊張してしまうと、 逆に陣痛が弱まったり、長引いたりすることもあります。
生理痛と似た仕組み。でも“意味”がちがう
実は、生理痛も陣痛と同じように「子宮の収縮」で起こります。 ただし、陣痛は命を押し出すための力であり、 ママと赤ちゃんの共同作業なんです。

そして、1回の陣痛は長くても
1分以内。
必ず「休みの時間」があるので、その間に呼吸で力を抜きましょう。 赤ちゃんも同じように、
休みながら生まれてくる準備をしています。
リラックスが痛みをやわらげる科学的理由
出産中のママの体では、オキシトシン(陣痛ホルモン)と エンドルフィン(痛みをやわらげるホルモン)が同時に働いています。
ところが、不安や恐怖でアドレナリン(緊張ホルモン)が増えると、 この2つのホルモンの働きが抑えられてしまいます。 つまり、「怖い」と思うほど痛みを強く感じやすくなるんです。
💡ポイント:リラックス=ホルモンのバランスを整える鍵 穏やかな音楽・アロマ・パートナーの声かけなど、 五感を通して安心感を増やすことが何よりの痛み対策です。
疲れと陣痛の関係|“子宮の筋肉”も疲れる
子宮も筋肉なので、ママが疲れていると子宮の収縮力も弱まります。 疲れが溜まると、陣痛が弱まり出産が長引く「悪循環ループ」に入ってしまうことも。

ママの体が疲れる
陣痛が弱くなる
出産が長引く
子宮がさらに疲れる
このループを断ち切るために大切なのは、 休む勇気と呼吸で力を抜くこと。

「いま休むことが、赤ちゃんのためになる」そう思って体をゆるめてくださいね。
具体的にできる“痛みをやわらげる姿勢”
体位の工夫で痛みを軽くできることがあります。おすすめは次の4つ👇

どんな姿勢でも大切なのは、呼吸がしやすい・力を抜けること。 「赤ちゃんと一緒に休む」
つもりで、無理せず過ごして
赤ちゃんも一緒に頑張っている
陣痛のたびに、赤ちゃんも圧を受けながら少しずつ下がってきています。 赤ちゃんも、自分の力で回旋しながら生まれてこようとしているんです。

ママが頑張っているとき、赤ちゃんも一緒に頑張っています。 「二人で出産している」と思うと、痛みの中に“絆”を感じられますね🌸
「一人で頑張らなくていい」出産とはチームワーク
出産は、ママひとりの戦いではありません。 家族、パートナー、助産師、医療スタッフ—— みんなで支え合うチームの出産です。
「一人で頑張らなきゃ」から「みんなで迎えるお産」へ。 その意識が変わるだけで、体も心も
ふっと軽くなります🕊️
助産師からのメッセージ🌿
陣痛の痛みは、命を生むためのエネルギー。 でも、その力を最大限に引き出すには「安心」が欠かせません。
怖くなったら、深呼吸してみてください。 あなたの呼吸が赤ちゃんへの酸素になり、 あなたの笑顔が赤ちゃんの安心になります。
出産は「痛みの物語」ではなく、「命と愛の物語」。 あなたの体は、ちゃんと産む力を持っています🌸
まとめ
- 陣痛は“子宮の筋肉運動”=赤ちゃんを押し出す力
- リラックスでホルモンが整うと痛みが軽くなる
- 子宮も筋肉。だから“休む勇気”が大切
- 赤ちゃんも一緒に頑張っている
- 出産はチームプレー。ひとりで頑張らなくていい
